ヤギミルクで作られるカプリーノチーズ(シェーブルチーズ)は、牛乳チーズより低カロリーでアレルギーを起こしにくく、優しい味わいが特徴だ。フランス産はシェーブル、イタリア産はカプリーノと呼ばれ、ハード・ソフトタイプから選べる。
カプリーノチーズの目次一覧 | |
---|---|
![]() | カプリーノチーズとは |
![]() | カプリーノチーズの栄養 |
![]() | ヤギ |
![]() | ヤギ乳のチーズ |
![]() | カプリーノチーズの種類 |
![]() | カプリーノチーズの歴史 |
製法もさることながら、元となるミルクを出してくれる動物も牛を中心としてたくさんいる。
項目 | カプリーノチーズ | 牛乳チーズ | 備考 |
---|---|---|---|
カロリー(100g) | 290-440kcal | 350-550kcal | 種類により変動 |
脂肪分 | 低め | 高め | 約30%少ない |
カゼイン含有量 | ほぼゼロ | 多い | アレルギーリスク低 |
歴史 | 紀元前10,000年 | 紀元前8,000年 | 人類最古のチーズ |
シェーブルはフランス語でヤギの事だ。
星座が好きな人なら、山羊座がカプリコーンと言われているのを知っているかもしれない。
一般的なチーズは、牛のミルクで作られている。
しかし哺乳類はみんなミルクを出す。
そんなわけで牛乳以外のチーズもチーズ専門店を中心に普及されている。
それにアレルギーが起こりにくいという特徴がある。
そのガゼインがヤギのミルクにはほとんど含まれていないのだ。
これらの特徴が、ヤギのチーズのやさしい味につながっているのだろう。
栄養 | イメージ | 効果 |
---|---|---|
タンパク質 | ![]() |
血液や筋肉の材料になる。 |
ナイアシン | ![]() |
皮膚や粘膜を健康に保つ。 |
カルシウム | ![]() |
骨や歯の材料になる。 |
カリウム | ![]() |
余分な塩分を体外に出す。 |
マグネシウム | ![]() |
血をサラサラにする。 |
リン | ![]() |
骨や歯の材料になる。筋肉や脳の栄養になる。 |
パントテン酸 | ![]() |
肌や粘膜を健康に保つ。 |
ウシ科の特徴は角が空洞なこと。
ヤギは草食動物で他の動物と争わず、基本的におとなしい動物だ。
山の羊。と書く。
山羊はさらに食事にもあまりこだらわず、どんな環境でもゆるりと生き延びる。
のんびりしていて好戦的でない故に、人間にも簡単に捕まって家畜になったが、生命力は強いのだ。
そして時には森林破壊の原因にもなるほど、山羊はたくましくエサを求めて生きている。
とはいえ環境を破壊した原因は、人間によって別の土地に大量に運ばれたからなので、ヤギはただ生き延びようとしているだけだ。
人間と共存しつつ、どんな土地でもあきらめない。ヤギはなかなかにタフな草食動物なのだ。
シェーブルはchèvreと書くフランス語で、カプリ―ノは caprinoと書くイタリア語。
つまりシェーブルチーズはフランス産、カプリーノチーズと書かれているのはイタリア産だ。
ついでに言うとドイツのヤギチーズはズィーゲンケーゼ(Ziegenkäse)ノルウェイではイエトオスト(geitost)別名ゴートチーズと呼ばれている。
10,000年以上の歴史を持つだけあって、ヤギのチーズは全世界で作られ、食べられているのだ。
中でも特徴的な4つを紹介したいそれぞれ、おすすめのお酒のタイプも書いておいた。
タイプ | ソフトタイプ |
---|---|
カロリー | 364kcal(100gあたり) |
原材料 | 山羊乳、食塩 |
原材料が非常にシンプルで、フランスのヤギチーズの代表ともいえる。
ぽってりと大福のようなフォルムの、直径5cm高さ4cmほどのドーム型をしている。
周りが白カビで覆われていて水分は少なめ。そしてかなり強めに塩が効いている。
ナイフやすりおろし器でうすーく削ってレタスにトッピングすると良さそうだ。
ドレッシングがなくてもこのチーズの塩気で、野菜を美味しく健康的にいただける。
スパークリングワインと一緒に食べたくなる味だ。
タイプ | ハードタイプ |
---|---|
カロリー | 291kcal(100gあたり) |
原材料 | 山羊乳、食塩、灰 |
表面が白カビで覆われていて、さらに木炭のように黒い灰がまぶされている。
この灰のおかげで、見た目ブルーチーズに似ているが、切ってみると中身は乳白色でツルっとしている。
塩っ気はかなり強く、しっかりした味だが、ヤギチーズ特有のやさしいミルク味は健在だ。
すっきりキリっとしタイプのた白ワインか、同じタイプの日本酒にも合いそうに思う。
冷蔵庫に入れておくと固くなるので、食べる時は暖房の前においておくといい。
4~5分でトロッとちょうどよい塩梅になる。お皿に入れてラップをかけ、こたつに入れても良いだろう。
ほどよく溶けたら、クラッカーに乗せて食べよう。
タイプ | ソフトタイプ |
---|---|
カロリー | 441kcal(100gあたり) |
原材料 | ホエイ、山羊乳、クリーム、生乳 |
6cm×6cm×6cmの茶色い立方体で、表面だけでなく中身も同じ茶色。
まるで巨大なキャラメルのような見た目だが、味もまさに塩キャラメルという不思議なチーズである。
あまりにキャラメルすぎて、しかも砂糖は入っていない完全乳製品なので、甘味があるのに甘すぎず、それでいてコクが深い。正直言ってめちゃくちゃ美味しい。
チーズだと言われなければ、チーズだと気づかないだろう。これほどチーズらしくない味も珍しいくらいのチーズだ。
重ための赤ワインや、ブランデーと楽しみたい。
ホエイ(ヨーグルトの上澄み液)とクリーム、それに搾りたてで無加工の生乳も入っているため、カロリーはかなり高めだ。
販売している6cmの立方体サイズで250g。つまりひとかたまりで1,102kcalである。
手のひらサイズの立方体で1,000kcalオーバー。
とはいえ1度に食べる量はせいぜい8分の1か10分の1。50gにも満たない量で満足できるので、あまり心配することはない。
タイプ | ハードタイプ |
---|---|
カロリー | 403kcal(100gあたり) |
原材料 | 山羊乳、食塩、ワイン糟、ワイン |
ワインに漬け込まれたうえ、ワイン用のぶどうの搾りかすまでまぶされている。
赤黒いものがまだらに付いていつので、一見するとカビに見えるかもしれないが、カビはついておらず、全てワイン用のぶどうかすだ。
別名「酔っ払いチーズ」同じ名前で牛乳や羊乳のチーズも存在する。
開けた途端に甘い赤ワインの香りがふわっと香る。そしてワインかすの粒々した食感もクセになる。
これはぜひともイタリア産の赤ワインに合わせたい。
だがワインかすとは言え、つまるところ粕漬けなので、実は日本酒のお供にしてもしっくりくる。辛口の日本酒を冷やで飲むときに試してみよう。
このチーズは小さく切って、そのまま食べても充分に美味しい。
しかしハードタイプのチーズは、焼いて食べても、とても美味しいのだ。
カプリーノチーズは水分が多く、オーブントースターで焼くとトロ―ッと溶けて、じゅわーっと脂が染み出てくる。ほんの少し縁がこげるくらいに焼くとちょうどいい。
それはヤギが牛よりも雑食だからと言われている。
牛は基本的には草。
しかも自分の好みの草を選んで食べるが、ヤギは色んな草や木の実、木の皮まで、お腹が空くと何でも食べる。
そんな食事情が、お乳の味にも影響するのだ。
とはいえ飼育されているヤギは食事も厳選されているので、あんまり変なものは食べていないから安心しよう。
上手くは説明できないが、なんとなーく柔らかく、優しい匂いがする。
もちろんヤギのチーズも牛のチーズと同様に、やわらかチーズに硬いチーズ。熟成期間が短いチーズから長いチーズまで、色々と作られているため、匂いの強さも異なる。
匂いもそうだが、味もなんだか優しい。
ほわっとしているのに味はしっかりしていて、やさしい味が口の中に広がるのだ。
紀元前10,000年も前から、ヤギは人間に飼育されていたのだ。
牛の飼育はそれから2,000年ほど後だ。
それまでは狩って肉を食べていた動物を、飼って増やしてミルクを搾るようになったのだ。
初めてチーズを発見したのは、そこに住むエトルリア人。
チーズは発酵食品だが、同じ発酵食品である納豆やヨーグルトも、やはり放置されてできた説が濃厚だ。
なんだか変わった匂いがするな…。そう思いつつも初めて口にして、そして製造方法を調べた人には敬意を表したい。
生き残る種とは、最も強いものではない。最も知的なものでもない。それは、変化に最もよく適応したものである。
チャールズ・ダーウィン
イラストレーターで描いた「カプリーノチーズ」の4コマ漫画。
※このページの記事を読むとマンガはより楽しめます。
イメージ | 栄養 | 紹介 |
---|---|---|
![]() |
鴨 | 強くなることを目標にしているマガモ。親友のネギのために「鴨ネギ=弱いヤツの代名詞」というイメージを変えるのが目的。 |
![]() |
ネギ | 友だち思いの長ネギ。強くなりたいと願う親友、鴨の決意に賛同し、共に旅立つ。 |
![]() |
ヤギさん | ヒマラヤ山脈の高地に住むヤギ。非常に食いしん坊で、目についた美味しそうなものはとりあえず試す主義。食べてみればわかるだろうが彼のモットーだ。 |
2つのイラストには、ちがうところが7つある!
毎日やれば、集中力と記憶力の向上が期待できる!昨日の4コマ漫画のイラストの間違いを探そう!7つ全部みつけられるかな?